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今日は兄弟が集まって貯金とか実家とか遺された財産をこれからどうするのか?の話し合いの日。
専門家の方にどんな財産があるのか調べてもらってあるからあとはどう分けるかだけ。
前から話をしていたから特に揉めることもなくあっさり決まってあとは手続をするだけ。
でも相続した実家が「未登記」らしい。
このままだと相続登記ができないから登記しないといけないらしい。
未登記だと相続登記ができないから登記しないといけない???
何を言ってるのかさっぱりわからない…
ということで今回は「相続した実家が未登記ってどういうこと?」について書いてみようと思います。
この記事を読むことで建物が未登記とはどういう状態なのか、このあとどのような手続をすればいいのか?がわかります。
「未登記だと相続登記ができないから登記しないといけない。」とはどういうことでしょうか?こう説明されてすんなり理解するのは難しいと思います。そこでまずは登記制度について簡単に触れておきましょう。
登記には2種類あります。
ひとつは「表示に関する登記」で土地や建物の物理的な状況を示すためのものです。
建物だとその建物の種類(居宅、事務所など)、構造(木造からわぶき2階建など)、床面積などが記録されています。
この物理的な状況を示してある部分を「表題部」といいます。
もうひとつは「権利に関する登記」で土地や建物の権利関係を示すためのものです。
所有者がどこのだれで、いつその権利を取得したのか、担保(抵当権など)が付いているのかなどが記録されています。
この権利関係を示してある部分を「権利部」といいます。
このふたつの登記は兄弟のようなもので、表示に関する登記が完了すると権利に関する登記ができるようになります。
今話題の相続登記は権利に関する登記に該当しています。
今回の「未登記だと相続登記ができないから登記しないといけない。」は表示に関する登記がされていないので相続登記ができませんよ。という意味だったわけです。
相続した建物が登記されているのかどうかをどうすれば調べられるのか?と質問されることがあります。
いちばん簡単なのは毎年送られてくる固定資産税の納税通知書でしょうか。
どの土地や建物に課税されているのかが書かれているわけですが、ご実家の場合だと「家屋」の欄を見ます。
そこに「家屋番号」の欄があるはずです。そこに番号が記載されていれば登記されています。
もしそこに何も書かれていなくて空欄になっているときは登記されていない建物です。
もうひとつは法務局で固定資産税の納税通知書に書かれている建物の登記記録を請求する方法です。もし登記されていれば登記記録を取得することができますが、登記されていなければ登記記録が出てきません。
私の場合、ご依頼いただいたときは両方で確認しています。
未登記建物を相続した時は先ほど説明したふたつの登記を申請するわけですが、その前提として遺産分割協議書に未登記建物を相続したことを書かないといけません。
たとえば固定資産税の納税通知書などから建物を特定できる情報が把握できていると思いますのでその内容を書いて、家屋番号の欄に「未登記建物」と記載しておく方法があります。
こうしておくことで未登記建物を誰が相続したのかがわかりますのでこの遺産分割協議書を使ってふたつの登記を進めることになります。
今まで未登記でも支障がなかったからそのままにしておいても問題なさそうに思えます。
ですがデメリットもあるんです。
そもそも建物の表示に関する登記は建物を建ててから1か月以内に登記しないといけません。
また怠ると10万円以下の過料という罰則も決められています。
さらに今回のような相続登記をしたいときやご実家を売却されて買主の方に名義を変えるときは前提として登記しておかないといけないので未登記のままだとこの登記ができません。
増築やリフォームなどで銀行から担保を付けてくださいと言われても同じように前提として登記をしないといけないのでそのままだと融資が受けられません。
こう考えると未登記のままにしておくメリットはないと思います。
今回の実家は相続登記の前提として表示に関する登記を申請しないといけません。
同じ登記でも表示に関する登記は「土地家屋調査士」が、権利に関する登記は「司法書士」が担当します。
ですので今回の場合はまず土地家屋調査士にお願いすることになります。
依頼を受けた土地家屋調査士は建築された当時の図面などの資料を基に建物を測量し、資料と測量した結果を照らし合わせながら建物の状況を確認していきます。
そして建物の状況が確認できれば管轄する法務局に「建物表題登記」を申請して表示に関する登記を完了させます。
この登記が完了したあと相続登記のために司法書士さんへ繋いでいきます。
老朽化していたり貸駐車場として利用したいから建物を取り壊してしまうこともあると思います。
この場合、登記された建物であれば「建物滅失登記」という建物を取り壊したから登記を閉鎖してください。という申請をするのですが、そもそも未登記だと登記を閉鎖するということがありませんので建物滅失登記を申請する必要がありません。
ですがこれとは別に市役所の資産税課など税金を扱っている部署に建物を取り壊したことを知らせる必要があります。
市役所などは建物を取り壊したことがわからないのでそれを知らせるための報告をするというイメージです。
これをすることで取り壊した建物に固定資産税がかからないようにしてもらいます。
解体業者さんが手続をしてくれることが多いようですが、念のため確認しておきましょう。
いかがでしたか?
登記は2種類、表示に関する登記と権利に関する登記でした。
表示に関する登記が先にされてそのあと権利に関する登記がされました。
それぞれ土地家屋調査士と司法書士が担当します。
未登記のままだと相続登記も売却されて買主の方に名義を変えることもできません。
また表示に関する登記をしていないことについての罰則もありました。
未登記のご実家を相続された方からのご相談が寄せられることが多くなっています。
今後も引き続き利用されたり売却をご検討されたりしている場合は早めに登記しておきましょう。
当事務所では未登記建物の登記についてのご相談をお受けしております。
またその前提となる相続手続や登記後の不動産の売却についてもお手伝いできます。
もし気になることがあればお気軽にご連絡ください。