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実家を出て県外に就職して数十年。
両親が亡くなって相続手続を進めていくなかで実家をどうするか?を話し合うことに。
自分はずっと前に家を出て県外で就職したし家庭も持ったから帰ってくる予定はない。
実家を相続したら管理しないといけないって聞いたよな。
車で何時間もかかるのにそう何度も様子を見に来ることなんてできないし・・・
だったら相続放棄しようか・・・?
でも相続放棄しても管理しないといけないってネットに書いてあったような???
今回は「相続放棄をすると実家を管理する必要がなくなるのか?」について書いてみようと思います。
相続放棄ってどんな効果があったのか?から確認しておきましょう。
相続放棄は相続開始を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所で手続することでプラスの財産もマイナスの財産も一切相続しないことになります。
つまり最初から相続人にならなかったことになります。
ですので相続財産の中にご実家があったとしても相続することはありません。
ご実家を相続したということは自身の財産になったということなので管理しないといけません。
ですが相続放棄によって相続することはなくなったわけですから自分の財産ではありません。
でも管理しないといけない?
自分の財産じゃないのに?
さて、法律のルールはどうなっているんでしょうか?
相続放棄と不動産の管理について2023年4月に法律のルールが変わりました。
以前は相続放棄しても相続人が自分ひとりだけだったり相続放棄したあと次の相続人が実家を管理することができるようになるまでは管理し続けないといけないことになっていました。
ですがこれだといつまで管理し続けないといけないのかはっきりしませんでした。
そこでルールが改正されることになり2023年4月から新しいルールが動き始めました。
新しいルールだと相続放棄しても責任を負い続けないといけないのは「現に占有している」相続放棄をした人ということになりました。
「現に占有している」とは今現在住んでいるというイメージです。
今までは「相続放棄した人」だったので住んでいようといまいと責任を負い続けないといけなかったので、新しいルールは負担が付いて回る人の範囲が狭く(軽く)なりました。
ちなみに、以前は「管理義務」だったものが新しいルールでは「保存義務」となりました。
と言っても中身はあまり変わらないようです・・・
ルールが変わって「現に占有している」人が責任を負い続けるとしても、終わりがないのでは酷というものです。
そこで法律では責任を負う最後の時点(終了する時点)も決められています。
それは「次の相続人や相続財産清算人(相続人がいないときに家庭裁判所に申し立てることで選ばれる相続財産を管理したり処分したりする人)に実家を引き渡すまで」です。
この人たちに引き渡せばこれから先はこの人たちがお世話してくれるわけですからそこで終わりということになります。
ご自身が責任を負わないといけない立場になったとして。
遠方に住んでいるのでそう何度も頻繁に見に行くことはできません。
最初のころは連休などを利用して見に行っていましたが時間が経つにつれて見に行く機会が減り、ついにはまったく見に行かなくなりました。
そうなると、実家は草や木が生い茂り虫が湧き荒れ放題になってしまいます。
ご近所にも迷惑をかけてしまいます。
あまりにもひどいと損害賠償なんていうことになってしまいます。
ですのでできるだけ早く遺産分割をしたり家庭裁判所に選任の申し立てをして次の相続人の方か相続財産清算人の方に引き継ぐための手続を進める必要があります。
いかがでしょうか?
相続放棄したとしても「現に占有している」ときはご実家を保存(管理)し続ける責任を負い続ける必要があります。
ですが次の相続人の方や相続財産清算人の方に引き継ぐことでその責任を負わなくてもよくなります。
相続財産清算人は相続人がいないときに家庭裁判所に専任の申し立てを行うことで選ばれる方でした。
これらの方に引き継ぐ前に責任を放棄してしまうとご近所に迷惑をかけてしまって損害賠償という話になってしまう可能性もあります。
こういったトラブルにならないためにも生前からご実家をどうするのかを話し合っておくことが大事です。
売却するのか賃貸するのか、あるいは解体してしまうのか?
専門家の意見もふまえて考える機会が必要ではないでしょうか?