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相続の話はネットやテレビでよく見たり聞いたりするけどあんまりピンとこない。
家族はみんな元気だし、相続なんてずっと先の話でしょ。
世の中の大多数の方々はこう思っているのかもしれません。
ですが相続される側なのか、する側なのかは置いておいていつかは必ず「相続」に関わる日がやってきます。
ご自身が相続する側、つまり相続人になったとき遺産相続についてどういった選択肢があるんでしょうか?
今回は相続人になったとき遺産相続について用意されている3つの選択肢について書いてみたいと思います。
3つの選択肢のうちどれを選ぶかを決める前にしないといけないことがあります。
「相続財産がどれくらいあるか?」を把握することです。
預貯金、株式、投資信託、不動産。骨とう品やゴルフ会員権といったプラスの財産。
借金や未払金といったマイナスの財産。
これらを調べてすべての相続財産を洗い出し、それぞれの金額を計算します。
プラスの財産が多い場合、マイナスの財産が多い場合、両方とも同じということもあるかもしれません。
これらの状況を確認した後、3つの選択肢からどれかを選ぶことになります。
それぞれがどういった特徴のものなのか知っておかないと選びようがありませんのでひとつずつ見ていくことにしましょう。
最初の選択肢は「単純承認」です。
この選択肢は預貯金や株式などのプラスの財産も借金や未払金などのマイナス財産もすべて引き継ぎます。
「借金はいらないから銀行の預金だけもらっとくわ~」というようにプラスの財産だけ引き継ぐという方法はできません。
ですので、プラスの財産のほうが多い場合はこの選択肢を選ぶことになると思われます。
単純承認は相続人ひとりひとりが各自で選択することができますので、自分は単純承認するけど他の相続人は相続放棄する。といったことが可能です。
この選択肢は「自分は相続するよ」のような意思を伝えることで承認したことになります。
ところが意思を伝えなくても一定の行動をすることで単純承認したことになってしまうものもあります。
ひとつは熟慮期間が過ぎてしまった場合。
3つの選択肢のどれにするのかを選ぶことができる期間として「相続開始を知ったときから3ヶ月以内」という期間が用意されています。
この期間を熟慮期間といいますが、この間に他の選択肢を採らなかったということは単純承認でいいんでしょ?と判断されてしまいます。
もうひとつは銀行の口座からお金を引き出したり、不動産を売却したりした場合です。
相続財産に手を付けるということは引き継ぐことを承認したんでしょ?と判断されてしまいます。
この他にもいくつかありますが、今回はこの2つにしておきましょう。
ふたつめの選択肢は「相続放棄」です。
先ほどの単純承認と真逆でプラスの財産もマイナスの財産も一切引き継ぎません。
この選択肢を採ると最初から相続人ではなかったことになります。
マイナスの財産が多い場合にこの選択肢を選ぶメリットがあるでしょう。
この選択肢も相続人ひとりひとりが各自で選択することができます。
借金を引き継がないという点ではメリットですが、逆に不動産のようなプラスの財産も引き継がないのでその点がデメリットになることもあります。
相続放棄するときは熟慮期間の3ヶ月以内に家庭裁判所に対して手続が必要です。
この場合は弁護士さんなどの専門家に依頼するのがいいでしょう。
みっつめの選択肢は「限定承認」です。
この選択肢は他のふたつと比べて少しわかりにくい選択肢です。
他のふたつはすべて引き継ぐか引き継がないかという100か0かというお話でした。
ですが「限定承認」はプラスの財産の範囲でマイナスの財産も引き継ぎます。
この選択肢はプラスの財産とマイナスの財産がどれくらいあるのかわからないときに有効です。
もしプラスの財産が多ければすべて相続してプラスの財産から借金などを支払い、残りの財産は相続人のみなさんのものになります。
逆にマイナスの財産が多ければプラスの財産の分だけ借金などを支払い、残りの借金は支払う必要がありません。
仮に預貯金が500万円で借金が900万円だとすると、預貯金の範囲(つまり500万円)で借金を返済すればよく、残りの400万円は返済する必要がありません。
この方法は他の選択肢と違って相続人ひとりひとりが判断することはできず、全員がこの選択肢を選ぶ必要があります。
また、相続放棄と同じく家庭裁判所での手続が必要です。
いかがでしょうか?
今回は相続人が採ることができる3つの選択肢について書いてみました。
プラスもマイナスも全部相続する「単純承認」。
プラスもマイナスも一切相続しない「相続放棄」。
プラスの範囲でマイナスの財産を相続する「限定承認」
この中から選択することになります。
どうするか?は「相続開始を知ったときから3ヶ月以内」に判断しないといけませんでした。
また「単純承認」と「相続放棄」は各自で判断できましたが「限定承認」は全員で判断しないといけませんでした。
さらに「相続放棄」と「限定承認」は家庭裁判所での手続が必要でした。
「3ヶ月もあれば判断できるでしょ。」と思うかもしれませんが、どのような相続財産があるのかあちこち確認して回る時間も必要ですので3ヶ月丸々判断する期間として使えるわけではありません。
相続財産が出揃ったところで判断することになりますので実際はもっと短くなるでしょう。
判断する時間が足りなくて思った選択肢を選択できなかった・・・ということになってしまうかもしれません。
そうならないように普段から相続について話し合っておくことが大事なんですね。