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子どもが県外から帰ってくることになった。
実家の近くに住みたいって言うけど、近くに空いている土地なんてないぞ。
少し離れたところならアパートはあるけど、家族で住むには手狭か。
さて、どうしたものか…
それなら家の敷地の中の空き地を使えば子どもの家を建てることはできないか?
早速建築業者さんに相談してみたら建築自体はできるけど敷地の分割が必要らしい。
敷地の分割?前に土地の分筆をやってもらったことはあるけど分割ってそのことか???
ということで、今回は「建物を建てるときに行う分割と分筆の違い」を見ていきましょう。
この記事では建物を建てるにあたってどちらが必要なのか、それぞれどのような手続なのかを知ることができます。
分割や分筆の中身の前に、そもそもなんで建物を建てるときにこのようなお話が出てくるのかを見ておきましょう。
このお話が出てくるのは「一敷地一建物の原則」というルールがあるからです。
これは「ひとつの敷地にはひとつの建物しか建てることができません。」というもので、この原則があるのですでに実家が建っている敷地に子どもの家を建てることができないわけです。
そこでこのあとお話する分割や分筆を行って「別の敷地」とすることで建てられるようにしてあげる必要があるわけです。
分割も分筆も敷地を分ける(切り離す)方法ですので、どちらも方法を選んだとしても敷地は切り離されはします。
ですが同じ切り離す方法ではあるものの、それぞれが違った特徴を持っていますのでこれから両方を見ていくことにしましょう。
「分割」は建物を建てる際に申請しないといけない「確認申請」という手続で図面上敷地に線を引いて切り離してそれぞれを別の敷地として扱う方法です。
この場合、図面上切り離すだけですのでこのあとお話する「分筆」とは違って地番(土地の番号)は変わりませんし登記もそのままです。
図面上でのお話ですので手軽と言えば手軽で、費用や時間が節約できそうです。
ですがこの方法を選んだ場合、建物を建てるときに住宅ローンなどの融資を受けて抵当権(担保)を設定したときにその土地全部に抵当権が付いてしまうのがデメリットです。
分筆の場合は切り離した方の土地にしか抵当権が付きませんが、こちらの方法だとご実家の建っている土地にまで抵当権が付いてしまいます。
こうなると相続が発生したときにご実家を相続された方が他の相続人の方の抵当権が付いた土地まで相続するということにもなってしまいますのでよく話し合っておく必要があります。
先ほどの分割と違って「分筆」は登記上切り離す方法です。
土地を測量して境界をはっきりさせた後、どこで切り離すかを決めて登記します。
登記が終わると切り離した土地に新しい地番が付けられてご実家の土地とは別の土地として扱われます。
ですので分筆を選んだ場合は抵当権を設定しても切り離した土地にしか付きませんのでご実家のある土地には抵当権は付きません。
ですがこの方法を選んだ場合、まずは土地全体を測量して境界をはっきりさせてから登記をしますので時間と費用がかかってしまいます。
また、周りの方が境界の確認に協力してもらえないと分筆自体ができなくなる可能性もあります。
この方法を選ぶときは手続にかかる時間と費用を考えたうえで計画を立てないといけませんし、周りの方への事前の挨拶もしておかないといけません。
どちらを選ぶかはその土地がどのような状況になっているのかで判断することになりますが、どちらの方法を選んだとしても気をつけないといけないことがあります。
それは「今建っている建物が違法建築物にならないようにしないといけない。」ということです。
今建っている建物がよく聞く「建ぺい率」や「接道」といった要件を満たしていたとしても、分割や分筆を行うと切り離した分だけこれまでより面積が狭くなってしまいます。
単に狭くなっただけで他に問題がなければいいのですが、切り離した結果建ぺい率が決められた値を超えてしまったり接道を満たさなくなってしまうような計画だと認めてもらうことはできません。
どうすれば今ある建物、これから建てようとしている建物両方に問題が生じないような切り離し方ができるのかをしっかり決めてから計画を立てないといけません。
いかがでしたか?
同じ「敷地を切り離す」方法でも分割と分筆で違いがありました。
分割は「図面上」切り離すだけなので時間と費用が節約できそうですが、抵当権は土地全部に付いてしまいます。
分筆だと「登記上」切り離しますので抵当権は切り離した部分にしか付きませんが、費用と時間がかかってしまいます。
どちらを選ぶかについては建築士さんや設計士さんが詳しいのでよく話し合って判断しましょう。
当事務所ではどちらのご依頼もお受けしております。
ご相談いただいた際は担当される建築士さんや設計士さんと打ち合わせを行い、どのように切り離すかを決めていきます。
もしご不安なことなどがございましたらご相談ください。