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自分の持っている田んぼに子どもの家を建てたい。
ご近所さんの子どもさんが帰ってきて家を建てたいらしい。でも土地がないそうだから自分の田んぼを提供してあげたい。
会社の資材置場が足りなくなってきたからお隣の田んぼを譲ってもらって敷地を広げたい。
役所に行って相談してみましたがあまりいい返答がありませんでした。
詳しいことはよくわからなかったけど、その田んぼは農地転用できません。って言われた。
あちこちの専門家に相談したけどやっぱり無理って言われてしまった。
結局諦めるしかなかった・・・
ということで今回は「農地転用がうまくいかない原因」についてこれまでの案件を基にまとめてみました。
この記事ではどういった理由で農地転用がうまくいかないのかを知ることができます。
農地転用は役所で相談して書類を揃えて申請すれば必ず許可されるんじゃないの?というご質問をいただくことがあります。
自分の田んぼだから好きにしていいだろう。
どうせ耕作してないんだから草ボーボーのままにしておくよりいいだろう。
いろいろな想いがあってのご質問だと思います。
ですが、残念ながら申請しても必ず許可してもらえるわけではありません。
これまで何件も農地転用の申請のお手伝いをさせていただいていますが、申請まで至らなかった案件も少なからずありました。
理由もなく申請できないということはなくて、うまくいかない案件にはそれなりの理由があります。
その中でも多かった理由をいくつか紹介したいと思います。
まずは田んぼ(畑も)そのものに原因があるパターンから見てみましょう。
原因があるといっても土地の質がおかしいとか耕作されていなくて草ボーボーだからとかいうわけではありません。
田んぼが位置している地域に問題があるから申請できない。というお話です。
詳しく書くと複雑になってしまって終わらなくなるのでさらっと書いてみます。
一言で田んぼ(畑)といってもすべて同じではなく、4種類に区分されています。
甲種農地、第1種農地、第2種農地、第3種農地の4つですが、それぞれについて許可の基準が設けられています。
まずは申請しようとしている田んぼがこの中のどの農地に当てはまるのかを調べるところから始まって、該当する農地の種類の許可の基準を見てみるわけです。
この基準に合えば許可される見込みはありますが合わないときは許可される見込みが薄い(というよりは見込みがない)ので申請したくても受け付けてもらえません。
これまでの案件の中で最も多かったものがこの基準に合わないので申請できない。というものでした。
その田んぼじゃないとダメだっていう理由が薄い。
周り一面田んぼだらけで集落と繋がっていなかった。
など許可の基準に合わないのでどうしようもなかった。ということがありました。
もしも他の種類の農地だったら可能性があったのに・・・ということは往々にしてあります。
農地転用をしたい場合、農振法や農地法という法律の要件を満たしている必要がありますが場所によってはこれ以外の法律の要件も満たしていないといけないことがあります。
この場合、農振法や農地法以外の法律の要件を満たしていなければどれだけ農振法や農地法の要件を満たしていても農地転用の許可を得ることができません。
特に多いのは市街化調整区域(原則建物を建てられない区域)の田んぼや畑を宅地にしたいというときに、農振法や農地法の要件は問題なく満たしているけど「開発許可」や「建築許可」という都市計画法で決められている手続の要件を満たすことができない場合です。
農地転用としてはまったく問題がないのに開発許可や建築許可の要件を満たすことができなくて結果的に農地転用ができなかった。ということが多々ありました。
これは農地が位置している地域ではなく「場所」そのものに原因があるケースです。
ですので同じ種類の田んぼだけど、あちらの田んぼは許可されてもこちらの田んぼは許可されない。ということが起こりえます。
次は「農地転用しようとする人」に原因があるパターン。
といっても年収がどうとか家族構成がどうとかいうわけではありません。
一部の農地にはその田んぼが属している集落の人でなければ農地転用ができないという基準が設けられています。
その集落に住んでいる人やその家族の家を建てたい。
その集落に住んでいる人の事業のために使いたい。
こういう理由じゃないと許可されない農地があるわけです。
今はまだ住んでいないけど、この集落に引っ越してきて住みたいから家を建てたい。というのであれば許可される見込みはあります。
この場合でもどうしてその田んぼに家を建てる必要があるのか?やその集落を選んだ理由を細かく審査されます。
すべての農地に当てはまる話ではありませんが、集落に住んでいない人だから許可の見込みはありません。という案件もありました。
また同じ「人」の原因と見ることができるのが周囲の田んぼの所有者の方や集落の方の理解が得られなかったパターンです。
いろいろな理由がありますが、その場所に建物を建ててしまうと不利益を被ってしまう方や集落の方が反対して承諾してもらえなかった場合です。
農地転用の申請をするにはこれらの方の承諾が必要ですので承諾してもらえないと申請することができません。
このパターンはあまり経験はありませんが、「どうして本人が挨拶に来ないんだ!」ということで承諾してもらうのに時間がかかったことはありました。
何か挨拶に行きたくない理由があったんだと思いますが、このあたりは感情が入ってしまいますので気をつけないといけません。
たまに遭遇するのが申請しようとしている田んぼにも人にもまったく問題がないのに許可の見込みがなくなってしまうパターンです。
個人の方でこのパターンに当てはまるケースはほとんどありませんでしたが、自宅の隣の車庫を農地転用を行わずに建ててしまっていたというイメージです。
逆に企業さんはこのパターンが多いです。
農地転用を行わずに倉庫を建ててしまった。
農地転用を行わずに埋め立てて駐車場にしてしまった。
違反転用や無断転用と言われるお話で、これから申請しようとしている田んぼには何も問題はなく許可の見込みがあるのですが、現在所有している他の敷地に問題を抱えていたのでそちらを解消できなければ許可しませんよ。ということになってしまいます。
こうなるとまずは現在所有している敷地の問題を解消しないといけないので時間も費用もかかってしまいます。
いかがでしたか?
今回は農地転用がうまくいかないパターンを見てきました。
田んぼそのものに原因があるパターン。
人に原因があるパターン。
現在持っている敷地に問題があるパターン。
の3つを紹介しました。
田んぼや畑はひとつひとつが違うのであの田んぼはOKだったのになんで今回の田んぼはダメなんだ?ということも多々あります。
農地転用がうまくいくかどうかは最初の調査の時点でほとんどわかってしまいます。
農地転用の審査は年々厳しくなってきている印象を受けます。
以前は指摘されなかったことが今回の案件だと指摘された。ということもあります。
当事務所は農地転用を専門的に扱っておりますのでこれまで多くの農地転用に携わってきました。
これから農地転用をお考えの方でお悩みの方やお困りの方はぜひご相談ください。
※農地転用の手続についてまとめたコラムもありますのでこちらも参考になさってください。
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