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実家を離れて生活していたCさん。
ご両親が高齢になったので近くで助け合いながら生活したいと考えて、戻ってくることにしました。
でも実家は部屋が足りなくて生活できません。
そこでご近所の方にお願いして田んぼを売ってもらってそこに住宅を建てる計画を立てました。
農地転用の申請をお願いして数か月、無事農地転用が認められたと連絡が入りました。
あ~よかった…
ホッとするのも束の間、まだまだやらなきゃいけない手続があるそうです。
認められるまでのことはいろいろ調べてきましたが、認められたあとのことは深く考えてきませんでした。
さて、どうしたものか?
ということで今回は「農地転用後の手続の流れ」について見ていきましょう。
この記事では農地転用が認められたあとどんな手続があるのかを知ることができます。
今回のCさんはご近所の方から田んぼを売ってもらうお話なので、その方と「売買契約」を結んで土地の名義をその方からCさん自身の名義に変えることになります。
契約書を取り交わして土地の代金を支払うわけですが、土地の名義を変えるには司法書士さんに「所有権移転登記」という登記をお願いします。
農地転用の許可書や受理通知書を付けて法務局に登記申請をしてもらって、その登記が完了すると正式にCさん自身の名義に変わります。
金融機関から融資を受ける場合は先に土地にだけ担保を付ける(抵当権設定登記をする)こともあります。
このあたりの段取りは司法書士さんにまとめてお願いするのが安心です。
Cさん自身の名義になったあと、いよいよ建築工事がスタートします。
数か月すると住宅が完成します。
建物が完成すると今度は建物の登記をします。
まずは、この建物がどこにあってどういう用途でどんな構造で床面積がこれくらいで…という状況を登記するため「建物表題登記」を法務局に申請します。
農地転用が絡むときはこの登記と土地の地目を田んぼや畑から宅地に変えるために「土地地目変更登記」を行います。
農地転用が認められても土地の地目は田んぼや畑のままです。
ですので建物が建ったので宅地に変えてもらうわけです。
このふたつの登記は土地家屋調査士さんが行います。
この登記が終わると、また司法書士さんの出番です。
今度は建物をCさん名義にするため「所有権保存登記」を申請します。
金融機関の融資があるときは建物にも担保を付ける(抵当権設定登記)手続を行います。
これで登記手続は完了です。
ところが、ときどきなぜかこの地目変更登記が忘れられていることがあります。
特に支障がないから。といった理由なのかもしれませんが、この登記をしていないと田んぼや畑じゃないのにこれから先もずっと農地法の制限を受け続けることになってしまいます。
将来お引っ越しなどで売却しようと思ってもまた農地転用をしないといけないなんてこともあり得ます。
「え~、またお金かかるの?」とか「めんどくさいな~」とか思うかもしれませんが、今のうちに済ませておきましょう。
登記とは別に進捗状況の報告という手続もしないといけません。
これは農業委員会に提出する書類で、農地転用の許可書や受理通知書といっしょに渡されます。
農地転用が認められたあと計画どおりに工事が進んでいるかどうかを確認するため、進捗状況を報告するための書類です。
この書類は建築業者さんが出されることが多いのでご自身で提出されることは少ないと思います。
こちらも忘れがちで、報告書が提出されないと「報告書が提出されてませんけど、どうなってますか?」という問い合わせが入ってしまいます。
いかがでしたか?
今回は農地転用が認められたあとの手続について見てきました。
土地の所有権移転登記と地目変更登記、建物の表題登記と所有権保存登記、場合によってはそれぞれの抵当権設定登記。
という具合で登記手続がいくつか続きます。
この中でも土地の地目変更登記は忘れがちなので注意しましょう。
忘れてしまうとこれからも農地法の制限を受け続けてしまいます。
また、登記手続きとは別に工事の進捗状況の報告も必要でした。
こちらも忘れがちで、忘れていると「どうなってますか?」という問い合わせが入ります。
建築業者さんが出されることが多いですけど頭の片隅に入れておきましょう。
農地転用が認められて「おめでとうございます!」ではありますが、のちのちトラブルを発生させないように最後まで気を抜かずにひとつひとつ確実に行っていきましょう。